細川家史料の調査

昭和六十三年十一月十四日から十九日迄、熊本大学附属図書館に出張し、同館寄託の永青文庫所蔵史料の調査を行った。今回の調査は、『大日本近世史料 細川家史料』十二出版のための必要史料の蒐集を主な目的とし、あわせて今後の出版のための周辺史料を調査・撮影した。
 詳細は、以下に掲載する撮影目録を参照されたい。今回調査した主な史料は、寛永十三年の江戸城普請関係史料、寛永十四年から十八年(十五年は欠)までの細川氏の幕閣等あての音信の控、正保四年のポルトガル船来航関係の一件史料、医書、能・鷹関係の書などである。その他、未調査の若干の史料を見い出し、撮影した。
 また、永青文庫に沢庵宗彭の書状が多く収められていることはつとに知られているが、今回その全部を撮影した。各書状には「沢庵一九四」というようなラベルが付いているが、この番号は『沢庵和尚全集』第四巻の文書番号と一致する。この書状群の写真は、『沢庵宗彭書状』として独立させて排架することにする。

『東京大学史料編纂所報』第24号